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製織工程

製織

 

織物は必ず経糸(たていと)と緯糸(ぬきいと)を絡ませます。

経糸はあらかじめ千切(ちきり)に強い張力で巻かれています。

その経糸の一部を綜絖で規則的に上下させて開口させます。緯糸が巻かれた管を収めた杼の通路「杼道」を作る。

杼道に杼を右から左、左から右へと交互に打ち込んでいく。

杼道を通って経糸の間に交錯されたよこ糸を筬によって布巻側(織り手側)に寄せつける。

この繰り返しによって織物が織り上げられることになる。


 

いくら撚糸をしても所詮 絹糸は切れることがあります。

特に製織中に経糸が切れたら「ちゃつぎ」と呼ばれる切れた経糸に補充用の短い糸をつぎます。

また糸の継ぎ方は特殊で「ののつぎ」という継ぎ方をします。平仮名の「の」の字を書くような結び方から来た呼称ですが、どの結び方より結び目が小さく、引っ張っても解けにくい。経糸は筬の細い隙間を通る必要があるためです。余談ですが私の伯母は毛糸を編む時にも「のの継ぎ」で毛糸を継いでいました。結び目が目立たないに越したことはありませんから。

 

織物を早く製織するには杼の往復運動をできるだけ高速で行う必要があります。

イギリスの産業革命は飛び杼(フライングシャットル)の発明に始まったことはよく知られています。飛び杼 は日本では明治20年頃から「バッタン」と呼ばれて広まりました。

その後杼を使わない織機も開発され、水や空気の噴射によって緯糸を通す織機もあります。

経糸・緯糸が一定の規則に従って交差し合っている状態を織物組織と言います。

複雑な組織を織るには多数の綜絖が必要になります。日本では元々、人間が織機の上部に乗って経糸を吊り上げて空引機出会ったのを、1804年フランスで発明されたジャカード織機の導入により、組織図に従って穴を開けた紋紙を使用するようになりました。

現在ではコンピュータ制御によって紋紙なしで複雑な文様を高速で織り出すことが可能になっています。

先ずは経糸を織機に掛けるには以前の経糸の裾(すそ=経糸の終わりで帯を織れる寸法の無い部分)に新しい経糸を繋ぐ作業です。

経継(たてつぎ)です。

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