生糸とは繭から糸を吹き出したものですが、繰糸(そうし)という作業はなかなか見る機会がありません。そこで京都市内から大原を抜け琵琶湖大橋を渡り琵琶湖の最北端まで行きました。
意外に早く着きます。
滋賀県伊香郡木之本町を社員全員で研修に出向きました。
境内にある独鈷水(とっこすい)。
真白な生糸を挽くには賤ヶ岳から湧き出る名水が必須のようです。
そして夏秋の繭より弾力性に富んだ春繭(はるこ)。
それにこちらでは繭を乾燥させずに挽く「生繭(なままゆ)」。
座繰りという方法で繭から糸を挽き出していきます。
この生繭糸は通常より太く製糸し、琴糸や三味線糸に撚糸されることが重です。
「手ぇ浸けとぉみ (o^<^)o 」
「 …..∑ヾ(;゚□゚)ノギャアアーー!!あぢぢ〜!! 」
そうです、鍋の中は80℃の熱湯です。
皆様が実践されることはお勧めできませんw
普通の生糸は7個ほどの繭から1本の生糸に挽くのですが、ここは太めの生糸を挽くため倍の数の繭から1本の生糸を引きます。
よく呉服の通の方でも織物に使う絹糸は繭1粒から出た糸だと思い違いをされていることが多いのですが、繭から初めて生糸になるこの時点で既に7〜15粒の繭から挽き出した糸を1本の生糸にするわけです。この1本づつ挽いた生糸を背後の部屋に揚げ返し(巻き上げ)ます。
ここまでの作業を「製糸」と呼び、初めて「生糸」が誕生するわけです。
ともあれ、動画でご覧いただいた方が臨場感が出ると思います。
また、この生繭糸は琴糸として使われるけとが多く、毎年1月に生産される糸を「寒の糸」と呼ばれて極上と言われています。