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底冷え

当主のひとりごと (BLOG) 2023.02.21

今年はえらい雪降りが多いです。

「夜七条ニツク車デ下加茂ニ行ク。

 京都ノ first impression 寒イ」

文豪・夏目漱石の日記「明治四十年三月二十八日(木)」のくだりにこう書かれている。

 

寒いより底冷えだと思う。

足元から体の芯まで冷える、寒いというより痛い、冷たい、キーンとする感覚のことです。
底冷えの定義も無く、あくまで肌感覚です。
京都は山に囲まれた盆地のため、地面に近いところにたまった冷気に逃げ場がなくなり、足元から冷えるのでしょうね。

臨済宗大徳寺派は全員、雲水修行の日々を少なくとも三年以上過ごされます。

それぞれ3人から4人1組で市内を法を唱えながら歩いて回る。

子供は皆「お〜さん」と呼んでいる。

「おぉぉぉ」と聞こえるが実は「法ぉぉぉ」と唱えてるらしいです。

網代傘に雲水衣、腰上げをして脚絆をつけ、草鞋を履き、看板袋という袋を体の前にかける。

冬場の雪の時はとても大変で、草鞋の裏に雪がくっついて歩きにくい。

草鞋の裏から雪が染みてきて足が冷たくなり、手はかじかんで感覚がなくなるが負けじと背筋を伸ばして大声で法を唱える。

真っ赤になった素足が底冷えを感じさせる。

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