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初回なのに千度

当主のひとりごと (BLOG) 2022.11.03

そもそも町内というものは

一体いつ頃からあったものでしょうか。

 

私の住まう上京区は明治12年(1879)にでき、10年後、下京区と合わさり京都市となりました。

しかし町内はずっと古く国が正式に制定するより遥か以前からあったようです。

大政奉還の年の地図に我が町内は既にありました。

本日は文化の日。

町内恒例の「お千度」の日。

氏神さんへ町内こぞって町内安全を祈る行事。

氏神さんは今宮神社。

うちの町内は参加者全員 本殿に上がりお祓いを受けるのですが、本来は拝殿の周りを全員で合計千周回るので「お千度」と呼ぶようです。

今なお千周回る町内が二つあると聞きます。

お詣りの方法は、拝殿前に千本の竹串入りの箱を置き、銘々が割当分の竹串を手に持って時計回りに拝殿を回るのですが、拝殿の四隅の隅木の上を軽くコンコン叩いてお祈りしながら回ります。

今宮神社は徳川五代将軍綱吉公の生母・桂昌院が元禄7年(1694)再建したので、300年以上氏子が叩き続けた隅木。

謂わば歴史を穿(うが)つ穴。

今宮神社は有名な観光地でみなさんよくご存知。

でも歴史の穴を知るのは氏子のみのはず。

お祓いを済ませたら「足洗い」。

京都を中心に使われる言葉で、慰労会の意味です。

昔は土道に草鞋だったので座敷に上がる前に足を洗ったからかなぁなんて勝手に解釈しています。

東門を出て参道右「かざり屋」。

我が家も町内もこの店しか行きません。

老舗中の老舗が威張りもせず、京女特有のお愛想づくし。

今日、足洗いに加わらず帰宅された人がいて人数が減ったので座敷でなく椅子席になった。

そしたら通常のあぶり餅の竹串と方向を変えて一皿に2本づつ余分に餅が入っていた。

これがお愛想である。

歴史を積み重ねる秘訣のお手本だと思う。

 

現在は世界的な旅行ブーム。

お客も一見(いちげん)さんが多い。

そのせいか、最近、店には男手も見受ける。

時代の煽りの中、京風お愛想を貫くか新経営術を打ち出すか、同じ伝統産業に身を置く身として大いに注目です。

 

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