龍が水浴びをするほど広く大らかな浴龍池が
目の前に大きく横たわる
その奥は京の北東、岩倉からさらには比叡のお山を
借景庭園とはかくあるべしという見事さで
延々と続く奥行きを表現している
西浜を軸に天を鏡の如く写す池のシンメトリー
その畏いほどの究極美
そのスケールの大きさといったら。。。
構想十四年のあまりの雄大さ優美さに心洗われた瞬間でした
訪れた地は造営を決定するまで実に十四年の歳月を要した
比叡山麓にある修学院離宮
十七世紀中頃に後水尾上皇の指示で造営された
王朝文化の美意識の頂点を示す
上中下それぞれの茶屋の3つのゾーンによって構成されており
中でも神秘的といえる究極の美を見た畏さに身震いしたのは上御茶屋・隣雲亭
とにかく被写体になる景色や茶屋が広すぎてファインダーに収まりません。
見えるものは総てが自然そのものなのに、室内に紅葉の照り返しが入るように計算された吊るし戸の角度など秀逸で肉眼に勝るものは無いと痛感しました。
棚田が敷地内にあり質素なのに贅の極みの妖しの世界
ここまで大規模な離宮なのに なんと厨房がない
つまりは通いの無限世界
降りしきる秋のただ中にいた
というよりは秋色に化けた神秘に覆われた
畏さのただ中に身を置かれた
そんな朝でした