至る所にあった米屋、タバコ屋、酒屋、餅屋(=和菓子屋)、時計屋、写真屋、
文房具屋、八百屋も魚屋も、最近はほぼ壊滅状態。
うどん屋の支那そばって好きでした。
ところが昨今は京都で麺類といえばラーメン屋だけが目立ってしまう。
子供の頃は、うどん屋だらけで出前で注文していた。
わざわざ出前でなく食べに出向くのは特別なお品。
秋から冬が旬のあの蕎麦は、毎年心待ちにしている。
老舗そば店「晦庵 河道屋」というのがある。
新蕎麦と辛味大根が出揃うと、茶道家元などの得意先にそばを届けるのが習わし。
辛味大根を使った河道屋の「おろしそば」は、3月下旬まで楽しめる。
うちの会社の近くに河道屋の暖簾分けの店があるんです。
まずはそば巻きから。うちじゃ作れないんですよね、これ。
いよいよ「おろしそば」。
鷹峯の辛味大根はおろしても水分が少なく、仄かな苦みと後味に残る辛さが特徴。
江戸っ子のそば通の見てても気持ちよくツツッと噛まずに飲み込むみたいなの、できません、うどん文化だから💦
蕎麦を食べ終わった後に急須に入れて出される「蕎麦湯」?
蕎麦湯で割って飲む人も多いらしいけど馴染みない💦
京都市北区の鷹峯に、江戸時代から伝わる伝統野菜・辛味だいこんがある。
京都の冬ならではの野菜は、門外不出の種で大切に栽培されていた。
小ぶりのかぶらのような形をした他地域の辛味大根と違い、
根がピンポン球ぐらいの小ささで、まん丸なのが特徴。
江戸時代、鷹峯には薬草園があったことも地域特有の野菜が残った要因のようだ。
戦前は多くの農家が辛味大根を作っていたというが、戦中にそば粉が配給制になり、そば屋が激減したことから辛味大根の需要が減った。
この地域の粘土質の土壌でないと育ちにくいことなどもあり、現在栽培する農家は数軒しかない。
地域に残る伝統野菜を保存しようと、1962年に京都市は「京都市特産そ菜保存圃」を設置した。
市内の農家13軒に、種をほかの品種と交配させないように栽培してもらっている。
同様に「絶滅のおそれがある」として、市が栽培を委託している野菜は、辛味大根のほか「鹿ケ谷かぼちゃ」「桃山大根」など18品目ある。
辛味大根が交雑しないよう場所を分けて栽培し、取れた種は専用の缶の中で大事に保存。販売した辛味大根から新たに栽培されることを防ぐため、芽が出ないように葉を切り落としてから販売している。
長い歴史の中で守られた伝統野菜は、京の食文化を支えているのだ。