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リラの花咲く頃

当主のひとりごと (BLOG) 2025.04.18

今年も鉢植えのリラがまた咲いた。

また、この唄を思い出す。


タカラヅカレビューのスタイルを創り、

レビューの王様と呼ばれた白井鐡造(てつぞう)という宝塚歌劇団演出家がいた。


1928年、宝塚歌劇団創始者小林一三(松岡修造さんの母方の祖父)の命により

レビューの本場パリへ渡欧。

本場のレビューに圧倒された白井は約2年間の修業を積み、1930年、帰国後第1作に『パリゼット』を発表。

全20場・上演時間1時間半の大作で、ダチョウの羽根扇、タップダンス。

それまでは白塗りだった舞台メイクがドーランになり、足を高く挙げる振付のラインダンスなどが日本に初登場した。

 

白井はパリ滞在中、この歌を大いに気に入り日本に持ち帰り

自ら日本語詞をつけ

昭和5年(1930)上演の『パリ・ゼット』の主題歌として使った。


原曲はドイツの作曲家フランツ・デーレが1928年に発表した

“Wenn der weiße Flieder wieder blüht”。

作詞者は「奥様お手をどうぞ」のフリッツ・ロッター。


ドイツ語圏での大ヒットを受けて、

翌1929年、フランス語の歌詞をつけてパリの劇場で歌われた。

これがシャンソンとして知られる“Quand refleuriront les lilas blancs”(白いリラがまた花咲くとき)だ。



一般的には「リラ」は淡い紫色で、当時の日本人には馴染みがなく

日本にある何か紫色の花はないかと模索して見いだしたのが「すみれ」。

すみれの花咲く頃」はこうして誕生した。


以後、この歌は宝塚のシンボルソングとして長く歌われることとなり、シャンソンが日本人に愛好されるようになったのは、この歌がきっかけだといわれる。

 

作詞:F.Rotter、作曲:F.Dölle、

フランス語詞:F.Lelièvre、H.Varna、F.Rouvray

日本語詞:白井鐵造


1 春すみれ咲き 春を告げる

  春何ゆえ人は (なれ)を待つ

  楽しく悩ましき 春の夢 甘き恋

  人の心酔わす そは汝

  すみれ咲く春

    すみれの花咲く頃

    はじめて君を知りぬ

    君を思ひ 日ごと夜ごと

    悩みし あの日の頃

    すみれの花咲く頃

    今も心(ふる)

    忘れな君 我らの恋

    すみれの花咲く頃


2 花匂い咲き 人の心

  甘く香り 小鳥の歌に

  心踊り 君とともに 恋を歌う春

  されど恋 そはしぼむ花

  春とともに逝く

    すみれの花咲く頃

    はじめて君を知りぬ

    君を思ひ 日ごと夜ごと

    悩みし あの日の頃

    すみれの花咲く頃

    今も心奮う

    忘れな君 我らの恋

    すみれの花咲く頃

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