川端康成の小説「古都」で京都人はおもしろいことを云う。
「御室の桜も一目見たら、春の義理が済んだようなもんや」
私たち近くに住む者は、仁和寺とは呼ばず御室と呼びます。
何故かしらこのお寺はケタ違いのスケールと風雅を醸し出しています。
中門内の西側一帯に「御室桜」と呼ばれる遅咲きで有名な桜の林があります。
遅咲きで背丈が低く根本から枝を張る。
市内の桜を見逃しても見納めが御室の桜であると云われる。
近年まで桜の木の下に硬い岩盤があり根を地中深く伸ばせないので背丈が低くなったと言われていましたが、現在の調査では岩盤ではなく粘土質の土壌であることが解りました。
土中に酸素や栄養分が少なくて桜が根をのばせないようだ。
詳しくは現在も調査中だそうです。
私の子供の頃は、ここでござを敷いて花見ができたんですけどね。。。
もう夏ですね~(p;′I`)Q゙
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仁和寺は真言宗御室派の総本山。
寺号を西山御願寺といいました。
仁和4年(888)、次の宇多天皇の時に完成し、寺号も元号から取り仁和寺と改訂。
延喜4年(904)宇多天皇ご出家後、法皇となられ、ここ仁和寺に御室(僧坊)を設けられたことから「御室御所」とも呼ばれました。以後、仁和寺は幕末の慶応3年(1867)まで皇室出身の法親王が住職をつとめる門跡寺院として続き、絶大な力を誇りました。