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窓の紅梅

当主のひとりごと (BLOG) 2025.03.11

梅が香に 人なつかしき このごろと 

われまづかきぬ 京へやる文 与謝野鉄幹

 

先月は未曾有の最長大寒波

遅い春の到来です

ひとの心も体も活動的になりだすこの頃です

 

境内最奥の書院・悟之間(さとりのま)

窓からの眺めまで部屋の魅力に取入れたもてなし。

窓の紅梅が美しい佇まいを見せてくれます。

書院造庭園(しょいんづくりていえん)の醍醐味です。

この窓は「悟りの窓」と呼ばれます。

 

 

書院は他に蓮華(れんげ)の間・大輪(たいりん)の間・月窓(つきまど)の間・清浄(せいじょう)の間などがあります。

ちなみに悟之間(さとりのま)には床の間を挟んで四角い「迷いの窓」もあります。

「走り大黒天」

なんとこの大黒さんは、寺の台所に安置されています。

鎌倉時代の作で、いつも見慣れている俵の上に乗りニコニコ笑っている大黒様とは異なり、大きな袋を背負ったわらじ履きの大黒様はとても怪奇な印象です。

台所にいらっしゃる、つまり拝観は台所に入るわけです。

この大黒さんを軸としたドラマはNHKプレミアム「京都人の密かな愉しみ・わたしの大黒さん」に登場します。この作品はもちろんフィクションですが、ロケ地がマニアックで現実とフィクションとの識別がつきにくい独特の構成になっています。ただ、ほんまの京都人から言わせると、京ことばが一部ヘンでした。

雲龍院・寺庭夫人がAmebaブログをお書きになっています。

それが面白くて本家本元で撮影されたのだと思います。

ブログの中で

「設定はともかく、お寺は大好きだけど 大黒様を祀る台所で匂いのきついカレーが食べられない とか サンタクロースのプレゼントが貰え無いというエピソードは我が家の娘のプチ不満が盛り込まれておりました。又、「リアル京都の日常を撮りたい!」というご希望で かなり踏み込んだ撮影でしたが、紅葉が美しい雲龍院の映像をたくさん残して頂けたのはとても嬉しい事でした。

それまでは台所に入ることを遠慮される参拝者が多かったのですが、このドラマがきっかけとなり 走り大黒天さま が有名に…。お顔も少し にこやかになられた気がいたします。」と書いておられます。

 

このドラマのお陰で

雲龍院はとてもアットホームな印象になりました。

 

 

近年の研究で「走り大黒」と呼ばれているのは「伽藍神(がらんしん)立像(りゅうぞう)」であるとわかったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ですが、、、

雲龍院は真言宗泉涌寺派総本山・泉涌寺の別格本山です。

東山の南の端にある泉涌寺(せんにゅうじ)。歴代天皇の葬儀を()り行った菩提寺で、「御寺」と書いて「みてら」と呼ばれている。歴代の御尊牌(ごそんぱい)(皇族の位牌)が霊明殿(れいめいでん)に安置されているわ。明治天皇もお使いだった御里(おさと)御殿を移築した御座所(ござしょ)もある。

泉涌寺には御陵(皇族の墓所)も複数あって、そのひとつ月輪陵(つきのわりょう)の門、本堂にあたる仏殿が、大門から見下ろす場所にあるのも特徴的。仏殿は宋風、舎利殿は和風という建築の違いも見どころ。月輪陵の手水鉢(ちょうずばち)は菊の形で美しい。

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