気づけば今日は12月14日。
土曜日で仕事は休みですが、今日は最高の冷え込みです。
秋がいつあったのかと思うのは銀杏や紅葉も同じで未だ散りかねています。
青空なのに時雨という京都特有の気候。
水火天神のお火焚きで聞いた、近所なのに初耳だったこと。
水火天神の斜め向かいの堀川鞍馬口を北端とし、堀川通に面しておっきなビルが何棟も建つ会社があります。
子供の頃「大日本スクリーン」と表示通り呼んでました。
2019年、「 株式会社SCREENホールディングス」と改名されたようですね。
TVやスマートフォンなどデジタル機器のディスプレーを作っていますが、1993年にヒラギノフォントを作った会社としても有名です。本社です。
堀川の鞍馬口より北に雲林院址の島津製作所、南にこの会社があるのですが、昭和18年(1943)、水火天神のあった上天神町に当初建設されました。
昭和37年(1962)に隣接する瑞光院は、大日本スクリーンの社屋拡張の依頼に応じて寺領を譲り、山科に移転しました。地名の瑞光院前町だけを残して。
紫式部の墓のある島津さん同様、この敷地にも動かせなかった史跡があります。
地図の紫色の位置です。
「瑞光院 赤穂義士四十六士 遺髪塔跡」の石碑です。
かってこの地にあった「随光院」は、紫雲山と号する臨済宗大徳寺派の寺院で、江戸時代初めの1613年因幡国(鳥取県)若櫻城主・山崎家盛が大徳寺琢甫和尚を開山に招いて建立した寺院です。家盛没後、その法号の瑞光院と称した。
元禄初期には、当院三世陽甫和尚が赤穂城主・浅野内匠頭長矩夫人・瑤泉院と族縁に当るところから、浅野家の香華祈願所となりました。
元禄14年(1701)長矩が江戸城中で吉良上野介に刃傷に及び、即日切腹を命じられた。これによって赤穂浅野家は断絶、家臣達は離散し大石良雄は山科西野に隠棲した。この年の8月、大石は当院を訪れ境内に主君長矩の供養塔を建立した。その後、翌年の元禄15年12月14日に赤穂浪士は吉良亭に討入り本懐を遂げた後、翌年の2月4日に義士46人が切腹する2日前、瑞光院々主の使僧・宗海禅師は細川、松平、毛利、水野の四家の大名に預けられた四十六人から髷の髪を貰い受けた。帰京後、大石内蔵助良雄の遺志により主君、浅野内匠頭長矩侯の墳墓の傍に四十六士の遺髪を瓶の器に納めて埋め、その上に遺髪塔として石塔一基を建立した。石塔には四十六人の姓名と戒名が刻まれている。義士のうち寺坂吉右衛門は切腹していないため、刻名されていない。
当時の浅野内匠頭宗矩の墓と遺髪塔の写真。
移転の際に実際に遺髪が確認されたそうです。
京都の師走といえば南座の吉例顔見世。1日から22日まで。
来年は松竹が京都で創業して130年の節目にあたることから「當る巳歳 吉例顔見世興業」と銘打たれています。
昼の部と夜の部の二回公演ですが、夜の部幕開きが「元禄忠臣蔵 仙石屋敷」。
「忠臣蔵」は日本人の好きな芝居でたくさんの作品がありますが、なんと言ってもテレビの黄金時代を創り上げたのは、この作品でしょう。
「赤穂浪士」は昭和39年(1964)にNHK大河ドラマ第2作。
大佛次郎原作、村上元三脚本、芥川也寸志音楽。
最高視聴率は大河ドラマ史上不滅の53%を獲得した。
脚本が村上元三という力の入れよう。村上氏は、「45分ずつ52回のテレビドラマに脚色するとなると、視聴者の耳と目を納得させるという苦労を毎回続けなければならないのですから」とかえって難しい仕事になったと仰った。
当時、映画界の五社協定を破りテレビ初出演の映画スター長谷川一夫ほか豪華な出演者と1年をかけて丹念に描いた人間模様が人気を集めました。また、重厚なテーマ音楽も話題となり、大河ドラマの原型ができあがりました。
現存する映像は唯一、第四十七回「討ち入り」1964年11月22日放送分のみ。NHKオンデマンドで観られます。
冒頭、
元禄十五年十二月十四日
降り積もった雪は有明の月に青く光っている…
との語りだけで、物語に引き込まれる。大佛次郎の原作を村上元三が格調高いドラマに脚色している。「各々方」は流行語になりました。
配役
《大石・浅野家》
大石内蔵助:長谷川一夫 大石りく:山田五十鈴
大石主税:中村嘉葎雄 大石吉千代:市川銀之助
八助:片岡半蔵 大石無人:河津清三郎
大石三平:花柳喜章
浅野内匠頭:尾上梅幸 あぐり(瑤泉院):岸田今日子
浅野大学:城所英夫 鎌髭奴:奈良重徳、森章二、桂広行
《赤穂四十七士》
小野寺十内:志村喬 堀部弥兵衛:中村芝鶴
片岡源五右衛門:中村又五郎 不破数右衛門:黒川弥太郎
原惣右衛門:中村福助 前原伊助:林成年
奥田孫太夫:下元勉 磯貝十郎左衛門:井上孝雄
堀部安兵衛:加藤武 吉田忠左衛門:厳金四郎
矢頭右衛門七:舟木一夫 赤埴源蔵:舟橋元
村松喜兵衛:宮本曠二朗 富盛助右衛門:金田竜之介
武林唯七:戸浦六宏 神崎与五郎:鈴木瑞穂
横川勘平:大山克巳 間喜兵衛:高橋正夫
貝賀弥左衛門:幸田宗丸 潮田又之丞:渥美国泰
木村岡右衛門:内田稔 茅野和助:田口計
岡嶋八十右衛門:松本朝夫 岡野金右衛門:中村豊
大高源五:外山高士 杉野十平次:伊達正三郎
吉田沢右衛門:小沢慶太郎 三村次郎左衛門:生井健夫
寺坂吉右衛門:佐伯徹 千馬三郎兵衛:伊吹総太郎
大石瀬左衛門:藤岡琢也 間十次郎:服部哲治
小野寺幸右衛門:戸田皓久 間瀬久太夫:笹川恵三
間新六:花ノ本寿 中村勘助:山田晴生
近松勘六:関根信昭 倉橋伝助:吉田柳児
勝田新左衛門:宗近晴見 早水藤左衛門:新田昌玄
村松三太夫:中川謙二 奥田貞右衛門:内山森彦
間瀬孫九郎:花上晃 菅谷半之丞:小浜幸夫
矢田五郎右衛門:月森一蔵
《その他の赤穂藩士・四十七士の縁者》
高田郡兵衛:田村高廣 大野九郎兵衛:菅井一郎
大野郡右衛門:奥野匡 藤井又左衛門:近藤準
安井彦右衛門:増田順司 落合与左衛門:山田清
奥野将監:大町文夫 進藤源四郎:須藤健
小山源五右衛門:須永康夫 毛利小平太:安井昌二
毛利小左衛門:中村栄二 毛利安江:浦辺粂子
小山田庄左衛門:山内明 岡林杢之助:大滝秀治
早川宗助:新井和夫 萩原兵助:松下達夫
内藤万右衛門:冨田浩太郎 矢頭長助:長浜藤夫
萱野三平:清川新吾 萱野七郎左衛門:河村弘二
橋本平左衛門:坂東吉弥 遠藤弥五左衛門:島宇志夫
堀内源太左衛門:堀雄二 おたか:高田敏江
堀部八重:小夜福子 小野丹女:夏川静枝
吉田貞柳:細川ちか子
《吉良・上杉家》
吉良上野介:滝沢修 小林平七:芦田伸介
清水一学:内藤武敏 山好新八郎:梅沢昇
新貝弥七郎:若杉英二 小堀源三郎:宮島誠
鳥居利右衛門:市川左三郎 大須賀治郎右衛門:尾上梅五郎
丸山清右衛門:下村和男 石川彦右衛門:嵯峨信孝
牧野春斎:恒吉雄一 左右田孫兵衛:小山源喜
上杉綱憲:山内雅人 千坂兵部:實川延若
色部又四郎:野々村潔 須藤与一右衛門:青野平義
《幕府・大名・旗本》
徳川綱吉:守田勘弥 柳沢出羽守:坂東三津五郎
細川越中守:嵐寛寿郎 堀内伝右衛門:大友柳太朗
土屋相模守:坂東蓑助 脇坂淡路守:久米明
阿部豊後守:市村羽左衛門 稲葉正通:尾上九朗右衛門
伊達左京亮:市村家橘 仙石伯耆守:清水将夫
荒木十左衛門:信欣三 土岐伊予守:永田靖
多門伝八郎:中村吉十郎 土屋主税:市村竹之丞
土屋家の腰元:石川祐代
《原作小説の主役たち》
堀田隼人:林与一 お仙:淡島千景
蜘蛛の陣十郎:宇野重吉 相沢新兵衛:西村晃
目玉の金助:穂積隆信
《その他》
丸岡朴庵:伴淳三郎 お千賀:瑳峨三智子
春山権之丞:杉浦宏策 浮橋太夫:越路吹雪
新井白石:尾上松緑 山田宗徧:柳永二郎
羽倉斎宮:北村和夫 宝井其角:田崎潤
三国屋市左衛門:下條正巳 細井広沢:二本柳寛
笹屋清右衛門:深見泰三 萩原千代:佐々木すみ江
- 長恩:加藤嘉 老婆:田中筆子
- 佐五平:柳谷寛 お豊:本間文子
戸田局:桜緋紗子 常八:大塚周夫
治助:江幡高志 長助:矢田稔→森良介
行者:仲村秀生
《その他》
田村正和、渡辺美佐子、辻村真人、石坂浩二
最近は、こんな脚本家もほとんどいないし、役者さんもタレントだらけ。
唯一観ていたNEWSすらワイドショー化してしまい各局独自性も無くしつこい。レポーターに至ってはゴシップ記事のレベルで、事故の被害者への「お見舞い」に「あ!紅白の熨斗が掛かっていますよ!」って生存者に黒白の熨斗袋を持っていく愚か者がいるのでしょうか。
日本人ですかと聞きたくなります。