「玉蜀黍」
漢字で書くとこうなります。
日本へは16世紀に渡来したそうです。
日本は島国だから舶来品に強い関心を持ちます。
そして舶来モノに「唐」や「南蛮」の文字を冠す習慣がありました。
玉蜀黍を持ち込んだのはポルトガル人でした。
その当時すでに中国から伝来していた「唐黍」に似ており、舶来もろこしなら「唐」の字を冠すると「唐唐黍」となってしまうので、別の漢字「唐蜀黍」に変え、黄金色の実が美しく並ぶことから「玉(=宝石)」の文字を当て「玉蜀黍」になったそうです。
呼び名も「唐のモロコシ」から「トウモロコシ」に。
しかし京都では昔から「なんば」と呼んでいました。
トウモロコシの別名「南蛮黍」から来たらしいです。
地方には他に様々な呼び名があると聞きもっと驚きます。
そして「おやま」。
「女形」や「女方」と書き、
歌舞伎において若い女性の役を演じる役者を指す言葉です。
つまり本物の「女」でないものが「女」の形をする
という意味にとっていいと思うんです。
最近では「なんば」丸々1本を買わず、ぶつ切りを「コーン」などと呼んだりします。
私の子供の頃には、夏になると「なんば」丸々1本を焼いてくれたものです。
そういえば、なんばの皮が数日天日干ししてあったなと思ってたら、いつもおばあちゃんが縫い糸とこんばさみ(糸切りばさみ)、綿を持って何やらやってるなと思ったら、こんなものを作っていました。
昔の人は凄いです。
祖母は昭和になっても日本髪を結ってたらしく、娘時代はこういった自作の人形で遊んでたのでしょうね。
子供の頃、まるで手作りの手工芸って興味がなかったので、遊び方も何も聞いていませんでした。
たった一つ、この「なんばのおやまはん」が残っているだけです。