旧暦の大晦日である節分。
京には御所の四方の鬼門を護る四つの寺社があり、これをお詣りすることを「四方詣」と言い、千年も前から伝わる行事です。
節分の夜、邪気(鬼)はまず、北東の表鬼門にあたる吉田神社に現れ、吉田神社を追われて次は八坂神社、南西の裏鬼門壬生寺、最後に北西の北野天満宮まで逃げてきて、北野天満宮の福部社の中に閉じ込められるそうです。
今年は壬生狂言を見に生まれて初めて壬生寺へ。
壬生寺は四条通から人がぞろぞろ歩いているので壬生寺通を知らなくても人の流れに乗れば辿り着きます。嵐電の踏切をも少し下がると露天商がたくさん出ています。京福電鉄も市バスも係員を出しています。
「壬生」と書いて「みぶ」と読みますが、「太秦」同様に読める人が多いのは新撰組ゆかりの地だからでしょうか。壬生寺は想像以上に大きな寺です。
参道には素焼きの焙烙の奉納受付が数箇所あり、ここ独特です。
焙烙とは素焼きの土鍋のことで、節分参詣の際、奉納すると、その年の災厄を落として福徳を得ると伝わります。
聖護院山伏衆の護摩木焚きの時間と重なり、入替え制の狂言を待つ行列に煙と灰をモロに被りました。
御利益と有難がりましょう( ˃ ⌑ ˂ഃ )
壬生寺の節分会は白河天皇の発願で鉦・太鼓・笛の囃子に合わせ演者は総て面をつけセリフの無い無言で演じられる形は今も変わらず、重要文化財の狂言堂で重要無形民俗文化財の壬生狂言は700年前の鎌倉時代、円覚上人が創始されたもので、正しくは「壬生大念佛狂言」と言い、お囃子の音からでしょう「壬生さんのカンデンデン」という愛称と共に古来から親しまれてきました。
鉦・太鼓・笛の囃子に合わせ演者は総て面をつけセリフの無い無言の壬生狂言は春・秋・節分の年3回あり、ユーモラスに演じる厄除け鬼祓いの狂言「節分」が、2月2日・3日に一日8回上演され、この時のみ無料。
小さな子どもにもわかりやすい無言劇は節分を楽しくさせてくれます。
狂言「節分」の終演の拍手後、舞台に撒かれた豆を掃除する役割は次代を担う子どもさん達。その姿に笑いと拍手がまた起こりました。
子どもの頃から伝統行事に親しむのは大事ですね。
四方詣りの人のため、四条の横断歩道にはこんな案内も。
邪気を祓い福を招く「四方詣り」をして新年を迎えてみたいのですが、なかなか全部はと私は思うのですが、意外や意外、廻ってる京都人って結構いるんですよ、これがまた(°д°)