除夜の鐘も撞き終わる頃、
四条通の東の果ては人波で埋め尽くされます。
今年は小雨からの幕開きです。
西の果てを書いたら東の果て八坂神社も取り上げないと。
四条は八坂神社の西楼門への参道であるため、大晦日午後11時から元日午前4時まで川端通から東は歩行者天国となる。
「白朮詣」、仮名で書けば「をけらまゐり」です。
京都人なら誰もが知る正月迎えの行事です。
吉兆縄の授与は元日朝5時までですが、大晦日午後9時頃から人がドっと増え、日付の変わる0時からは初詣の参詣者が溢れかえり四条は身動きが取れないほどになります。
除夜祭の行われた後、境内三ヶ所の「白朮灯籠」に「白朮火」を移す。
白朮の根は燃やすと臭いが強いので疫神を追い祓います。
御神火である白朮火を参拝者は火縄に移し、火が消えないようにクルクル回しながら自宅に持ち帰る。
普通の縄だとすぐ消えたり振り回すとちぎれてしまうので、吉兆縄は竹で編んだ長さ約180センチでできています。持ち帰った火は新年の無病息災を願い神棚に灯し雑煮を炊きます。
火を移した後の縄は「火伏のお守り」として台所に祀る。
私の子供の頃は、市電も市バスにも火のついたままの吉兆縄を持ち込めたのですが、昨今はごく近隣の人以外は火のついたままの縄を持って帰れないので、神社出口に大縄火消し用水桶が用意されています。
インバウンドのせい(;゚д゚)ェ…ナンデ?
祇園さんは、古くは祇園社と呼ばれていたのを慶應4年(1868)に八坂神社と改称しました。
花街の祇園は祇園社の門前町にあったことに由来します。
夜が明けたら
お雑煮です。白朮の火を使います。
出汁は昆布のみ。白味噌、関東の人の思う普段の味噌汁の3倍ほどたっぷり溶き入れる。具は小さめの大根と亀甲形に皮を剥いた里芋。金時人参。
もちろん餅は丸餅、焼きません。白味噌を生かす工夫です。
炊き上がりにトロミがつくのもこのせい。餅の澱粉質が溶け出すのです。
父は「うる餅」という餅米にご飯用の米をわざわざ混ぜてついた餅を好みました。理由は知りません。
箸は柳箸。
食べるとき糸鰹を振りかけます。
お茶は昆布茶です。
あけましておめでとうございます⛩
本年もよろしくお願い申し上げます。
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