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悪魔のようなあなた

当主のひとりごと (BLOG) 2025.10.13

世紀の二枚目・アランドロンは昨年88歳で亡くなりました。

かなりの日本贔屓というのも有名です。

 

私の若い頃はTVの洋画劇場全盛期で15年前の洋画が、10年前のが、そして古い洋画が底をつき絶頂期のアランドロンなんかの映画も放映される時代でした。

 

「悪魔のようなあなた」

Diaboliquement vôtre

南フランスあたりだろうか、道路を突っ走る車がドカーンと言う音と共に横転し天地はまッ逆さま・・・

自動車事故で昏睡していた青年(ドロン)が昏睡状態から目覚める。 記憶を失っていた青年はジョルジュ・カンポという名前だと知らされ、妻だというクリスチアヌとともに退院する。 しかし、妻の体を求めても「あなたはまだ静養しなければ」とはぐらかされ、妻は応じてくれない。

家は広い農地に囲まれた大きな屋敷、なぜか敷地より外に出ることは医師のフレデリックが許さない。半ば監禁されているような生活に怒り、最寄りの村まで徒歩で行こうとしても、フレデリックがやんわりと説得し屋敷に戻る。

ジョリュジュが飼っていた犬も彼に吼えて噛み付きそうになったことも疑問のひとつだった。庭を散歩していたら、飼い犬が地面の中から何かを掘り起こしていた。近くによってみると男性の死体であった。「死体だ!」とクリスチアヌとフレデリックに伝えるが彼らは信用しない。3人で見にいって確かめよう、と連れ立って発見現場に行くが、もう死体はなく、事故の後遺症の妄想だ、とされてしまう。

眠りの中で聞こえてくるあの催眠術のような声

「ジョリュジュ君、もう死んで楽になるのだ」

毎夜眠る時に飲まされる薬も飲まずにベッドに横たわると今夜もまた、あの声は聞こえてきた。
が、今夜は意識もはっきりとしている彼は
その声を探した。
どうやら枕の下から聞こえてくる・・
案の定、枕の下でテープレコーダーが回っていた・・

ある日、同じ家に住む医者のフレデリックとの会話の中で「ピエール・ラグランジュ」という名前が出てくる。 夢の中で「ピエール!」と呼ばれ自身が返事をした。どうやら「ピエール・ラグランジュ」が自分の本名であるらしい。しかし、クリスチアヌに夢の話をしてもはぐらかされた。医師であるフレデリックに話しても同様だ。

やがて、彼の記憶が少しずつ戻り始めた。その日の翌日から、青年は生命の危機に瀕するような出来事に幾度か遭遇し、自らの命が狙われていることに気づく。

クリスチアヌが召使キエムから美容オイルマッサージを受けている。キエムはクリスチアヌに隠れた好意を持っている。キエムは、全裸でうつぶせになっているクリスチアヌのふくらはぎをマッサージしているとき、欲望にかられそうになるが自制する。クリスチアヌはキエムの気持ちに気付いているようだ。

クリスチアヌは服を着るにもキエムに任せる。そしてストッキングをはかせたとき、キエムはついに自制できなくなり、クリスチアヌの足を抱き抱え向脛に頬ずりした。

「妻の筈なのに求めに応じない」そして「どうやら俺はジョルジュではなくピエール」それを確認するため、抵抗するクリスチアヌと強引にベッドインする。事後にクリスチアヌはピエールからの質問に答える形で、「フレデリックは自分の愛人であり、自分の夫のジョルジュはフレデリックが殺した」ことや、「証拠隠滅のために天涯孤独のピエールをジョルジュに仕立てて殺そうとした」ことを明かす。告白を聴いた後、ピエールは「もう一度、いい?」と訊き、クリスチアヌは「どうぞ」と布団をめくって誘う。

情報が漏れたこと、さらにピエールの本当の妻になったことを知ったフレデリックはクリスチアヌに暴力をふるうが、「奥様を助けよう」との思いの召使キエムによって射殺される。銃を拾ったクリスチアヌはキエムとピエールを交互に見ながら逡巡し、キエムを射殺する。そしてピストルをフレデリックの手に握らせて、相討ちになったと見せかける。

警察が来て現場検証が始まる。警察から「あなたは?」と訊かれたピエールは「夫のジョルジュ・カンポです」と答える。

これでピエールは莫大な財産を持つクリスと一緒になれる?

だが、警察官のひとりがこんなものが見つかった・・と
あのテープレコーダーを持ってきた。

回るそのテープには「ジョリュジュ君、自殺するんだ!」という声が流れてくるのだった・・

 

ラストのどんでん返しまでは、ドロンの心理描写に重きが置かれ、センタ・バーガーの魅力を余すところ無く見せ、美しいドロンとバーガーの艶やかそうに見える場面の中に駆け引きとサスペンスを織り交ぜての娯楽作品となっています。

 

 

ルイ・C・トーマの原作をジュリアン・デュヴィヴィエ監督とローラン・ジラール、ジャン・ボルヴァリの共同脚本でアンリ・ドカエ撮影、フランソワ・ド・ルーベ音楽によるフランス映画。

封切:🇫🇷1967年12月22日🇯🇵1968年5月4日

 

 

『日曜洋画劇場』(1973年2月18日放映)

配役 ※括弧内は日本語吹替

ジョルジュ・カンポ:アラン・ドロン(堀勝之祐)
クリスチャン:センタ・バーガー(鈴木弘子)
フレデリック:セルジュ・ファントーニ(田口計)
室内装飾家:クロード・プエプリュ(島宇志夫)
キエム:ペーター・モスバッシャー(千葉耕市)
医者:アルベール・オージエ(塩見竜介)

『日曜洋画劇場』で放映されたときに、30歳ほどの美貌のドロンに惹きつけられた人も多かった。

 

 

 

その中に視聴者からテレビ局に一本の電話が入った。

 

 

 

 

「劇中でドロンが着ていた紋付、あの着物は数年前に盗まれたもの」と視聴者からテレビ局へ連絡が入った。

警察も乗り出したが、映画制作側は「骨董市で購入」したものであり、善意の第三者、ということで返還には至らなかった。

日本での封切時には発覚しなかったのに「テレビの社会的影響力・伝搬力」が確認された出来事であった。

映画の中でドロンは日本の紋付(もんつき)を着用した。

 

電話の主は、能囃子方(はやしかた) 大鼓(おおつづみ)の人間国宝・安福春雄さん夫人だった。

安福さんは、昭和30年(1955)1月に羽織、袴などを入れた鞄を東京神田の出先で置き引きされた。

すぐに警察に届け出たが荷物は帰ってこなかった。

その後、約18年経たこの日、アランドロンのファンである奥さんが映画を見ていた。

その時、あるシーンに目が釘付けになった。

アランドロンが日本の紋付を着ているシーンだ。

それは18年前に盗まれた紋付だからだ。

 

どうしてわかるのかというと、
その紋付についている家紋が証拠となる。

その紋付は丸に州浜(すはま)の白抜きにした安福家の家紋だったからである。

州浜の家紋は非常に珍しい。

安福氏の能楽の世界でももちろん、他の場所でも他の人が付けているのを、これまで見たことが無いとか。

その特殊な定紋を映画の中でアランドロンが(まと)っている。

これは18年前に盗まれたものではないか?

定紋入りの着物は「紋付」と呼び、正装です。

まして滅多にない家紋なら尚更 目につきます。

結局 戻ってこなかったけど、世紀の二枚目アランドロンに着用してもらえたのだから、紋付も本望だったかもしれませんね。

 

 

「家紋」とは家系や個人が使用する紋章の総称で、その中で公式の儀式や行事で用いられる、その家の代表的な正式な紋を「定紋」といいます。定紋は「本紋」「正紋」とも呼ばれます。正式な場面では必ずこれを使用します。

 

「家紋」の中には非公式の場で使われる「替紋」があり、婚姻などで新たに加わった紋や、主君から授かった紋などがこれにあたります。「裏紋」「別紋」「控え紋」などとも呼ばれます。また「女紋」と呼ばれる女性が嫁いだ後も実家の紋をそのまま用いる場合や、「通紋」と呼ばれる江戸時代以降、庶民の間でも広く使われるようになった家紋もあります。

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